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2023.07.27 (Thu)

「スティーヴ・ライヒ/ドラミング~湖国が生んだ打楽器奏者の協演~」の制作発表を行いました!

文化産業交流会館では開館35周年を記念し、滋賀県にゆかりのある打楽器奏者17名と声楽家2名、ピッコロ1名によるスティーヴ・ライヒ「ドラミング」のコンサートを開催いたします
これに伴い、去る7月6日、「スティーヴ・ライヒ/ドラミング~湖国が生んだ打楽器奏者の協演~」の制作発表を行いました。

当館館長のほか、公演にご出演いただく北川皎さん(グロッケン)、中谷満さん(ボンゴ)、宮本妥子さん(ボンゴ)、畑中明香さん(ボンゴ)、中村めぐみさん(マリンバ)、島田菜摘さん(マリンバ)、國領愛歩さん(マリンバ)、山田佳那子さん(マリンバ)、石垣真結子さん(マリンバ)にご出席いただき、公演の見どころや魅力などを発表しました。


ここでは、コメントを一部抜粋してご紹介します!



竹村館長

文化産業交流会館は4月に開館35周年を迎えた。
当館ではこれを記念し、会館の想いがこもった3つの公演を制作している。
第1弾として、現代音楽の巨匠であるスティーヴ・ライヒ作曲「ドラミング」の演奏会を9月に開催する。
当館では開館間もないころから、滋賀県出身や在住の若手演奏家の公演に取り組んでおり、特に今回登壇いただいているみなさんにはこれまで大変お世話になっている。
この度そういった方々の協力を経て、この演奏会が実現した。
この公演は、35周年を迎えた当館とともに、9月に25周年を迎えるびわ湖ホールの2会場で開催。
滋賀にゆかりのある打楽器奏者による「ドラミング」の演奏で、音楽の魅力や醍醐味を感じていただくとともに、20名の素晴らしい演奏家を更に多くの方に知っていただきたい。


中谷満さん(ボンゴ)

瀬田に生まれ、大阪フィルハーモニー交響楽団で35年間打楽器奏者として演奏してきた。現在は大学で若い演奏家の指導にあたっている。
滋賀県には感謝しきれないほど支えられてきた。特に文化産業交流会館やびわ湖ホールではたくさんの演奏会を企画していただき、我々も育ってきたと大変感謝している。今回35周年でこの公演を企画していただけたことも大変有難い。
ドラミングは、約60分程度の作品。
ライヒは「ミニマルミュージック」を研究し多くの作品を作曲している。
その中でも大曲の「ドラミング」はグロッケンやマリンバ、ボンゴなどの各部門に分かれているが、それぞれの部分で同じフレーズをリズムを少し変化させながら繰り返していく音楽。1曲の中でだんだんリズムや音色の色彩が変化してグラデーションが進み、宇宙に導かれるかのような異様な感覚を感じる。
今回出演する打楽器奏者は北川さんから順番に繋がってきた。北川さんから学んだことを宮本さんや畑中さんに教え、彼女たちが育てた奏者も出演する。この50年、60年と紡いできた滋賀県打楽器の歴史のもと今回の公演を実現できることがとても嬉しいし、これからの滋賀県打楽器にも繋げていければという想いで演奏したい。


宮本妥子さん(ボンゴ)

滋賀県にゆかりのある打楽器奏者のみなさんと共演できることを大変嬉しく感じている。
今回主催者から「滋賀県は打楽器奏者が多いので、35周年記念に合わせて打楽器奏者のみなさんでなにか公演をしたいがどのような内容が良いか」と声をかけていただいた。「ドラミング」は技術面以外でも「フェイズ」(わざとリズムをずらす特殊奏法)など合わせの練習に大変時間がかかるため演奏機会が少ないが、滋賀ゆかりの奏者たちだからこそできると考え提案させていただいた。
滋賀県は「打楽器王国」と言えるくらい打楽器奏者が多いと言われるが、これは奏者として憧れの存在でありお人柄も優しく人間力豊かな北川先生、奥村先生、中谷先生を中心に愛情たっぷりで私たちを育てていただいたおかげ。今は私や畑中さんなどがその教えを若手に継承し、大きな歴史となってきた。
北川先生、奥村先生、中谷先生が居られなければ滋賀県でこのような豪華な編成で「ドラミング」の演奏はできなかったと思う。
今回の出演者は滋賀にゆかりのある奏者であり、世界に発信し続けている奏者でもある。この「ドラミング」も、日本だけでなく世界へ発信する気持ちで演奏したい。


北川皎さん(グロッケン)

中谷さんや宮本さんたちが若い方々に歴史を繋いでいってもらえたことを嬉しく感じている。
「ドラミング」はとてもただ事では演奏できない大掛かりな曲であり、抜粋で演奏されたり、全曲は全国どこかで数年に一度演奏されるくらいの演奏機会の少ない曲。「ドラミング」を滋賀県で演奏することになったと聞き、そんな曲を滋賀ゆかりの打楽器奏者で演奏できるときがやっとやってきたという想いでいっぱいになった。
我々がいくら一生懸命練習しても実現できることではなく、文化産業交流会館やびわ湖ホールの多くの方に支えられ実現できることに感謝している。
私は今年80歳になるが、中学の吹奏楽で打楽器をはじめ、打楽器の魅力に取りつかれ音楽高校・大学に入学、京都市交響楽団で40年打楽器を演奏してきた。長い打楽器人生の集大成としてこの大曲に取り組む。最後の力を振り絞ってこの公演を成功させたい。


中村めぐみさん(マリンバ)

滋賀県の打楽器をけん引されてきた先生方や県内外で活躍されている同門の大先輩方と共演できることに身が引き締まる思いとともに、いよいよ「ドラミング」を演奏できることに打楽器奏者としてワクワクしている。
「打楽器王国」といえどもこれだけ多くの打楽器奏者が一堂に会するのはなかなかない機会で、私たち自身も打楽器奏者が17名を集まる公演はあまり経験がないので、どうなるのかとても楽しみ。
「ドラミング」はリズム自体はとてもシンプルだが、「フェイズ」によって新しい世界が作り出されるのがとても面白い。私たち演奏家は「合わせること」は練習するが、「ズラすこと」は普段練習していないので、とても勇気が要り難しい点であり面白いポイント。成功させるためには演奏技術以外に奏者同士の信頼関係が重要である。打楽器奏者17名を集めることはできるが、今回はみんなが同門であるということが推しポイント。同門だからこその安心感があり、当日は良い化学変化を起こしたい。お客様と一緒にライヒの音の世界を楽しめれば。


畑中明香さん(ボンゴ)

スティーヴ・ライヒの作品はこれまで多く取り組んできた。
彼の作品は、クラシック音楽のようにロマンティックな旋律はなく、シンプルなリズムと音を使って淡々と創り上げていく音楽で、一見人間の感情とは全く別のところで書かれていそうだが、演奏を聴いてみるととても人の心に迫ってくるところが不思議だと感じながら演奏している。
ライヒファンは全国に多くいるため、当日はそういったファンの皆さんと一緒にライヒの音楽を味わいたい。


島田菜摘さん(マリンバ)

これまで、文化産業交流会館の若手支援の事業に2度出演させていただいた。
今回、憧れの打楽器奏者のみなさんと憧れの曲を演奏できるということで身の引き締まる思いで準備している。
ライヒはミニマルミュージックの先駆けであるだけでなく、世界中の民族音楽を研究したりコンピュータを使って作曲する作曲家で、好奇心旺盛な作曲家だと感じている。
「ドラミング」はシンプルなリズムが出てくるが、「フェイズ」により様々な音の景色が現れる。演奏したり聴いたりしていると、意識が自分の身体から離れていくような感覚やグラデーションのような景色が感じられる。
お客さまには事前にライヒについて勉強してから聴いていただいても、先入観なく聴いていただいても面白い鑑賞体験ができると思う。2日間とも違った演奏になると思うので、2公演続けての鑑賞もおすすめ。


國領愛歩さん(マリンバ)

中高時代、大学生時代からお世話になっている先生方と、生まれ育った滋賀県で「ドラミング」を演奏できることは光栄で、本番が楽しみ。
「ドラミング」は一人一人のフレーズが少しずつズレ複雑で豊かな音になっていくのが魅力だと感じている。「ドラミング」やミニマルミュージックの魅力を伝えられるよう、準備に取り組んでいる。
マリンバではどういったマレットを使うか奏者同士や先生方と相談するなど準備段階から丁寧に作り上げている。
国内で演奏されるのは珍しく、特に滋賀県での演奏機会はほとんどないため、是非生の演奏を聴いてもらいたい。


山田佳那子さん(マリンバ)

尊敬する先生方・先輩方と「ドラミング」を演奏できるのが嬉しい。
今は緊張しているが、当日コンサートが開演し、1音目が鳴り、長い時間をかけて到達する最後の1音が鳴りやむまでの間、私たち演奏者やお客様、制作サイドの様々な「気」が集中するのではないかと想像すると大変ワクワクしている。たくさんの方とその場を共有したい。


石垣真結子さん(マリンバ)

この作品はテーマがシンプルなので最初は機械的に聞こえるかもしれないが、テーマを反復し「フェイズ」に移るまでの時間は奏者に任せられており、即興性とシンプルで機械的な二面性が魅力だと感じている。組み合わせ方によって様々な可能性があることに気付かされる曲で、みなさまにも会場に足を運んでいただき、その場でしか感じられない音楽を体感していただきたい。


出演者からのコメントのあとは、質疑応答を行い、

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公演でお贈りするスティーヴ・ライヒ作曲「ドラミング」の抜粋をボンゴで演奏。

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音が少しずつズレていく「フェイズ」も実演いただきました!



最後に写真撮影を行い、制作発表会を閉会しました

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このことについて、現地でご取材いただいた京都新聞様に取り上げていただきましたので、こちらもご紹介します

https://kyoto-np.co.jp/articles/-/1070439
京都新聞
「打楽器王国」滋賀から世界へ ゆかりの奏者が巨匠スティーヴ・ライヒの「ドラミング」に挑む | 2023.07.20


「スティーヴ・ライヒ/ドラミング~湖国が生んだ打楽器奏者の協演~」は現在チケット好評発売中
みなさまのご来場を心よりお待ちしております

公演情報

スティーヴ・ライヒ/ドラミング 湖国が生んだ打楽器奏者の協演
9月9日(土) 13時30分開演(12時45分開場)
滋賀県立文化産業交流会館 イベントホール
一般 2,000円/青少年(24歳以下) 1,000円

9月10日(日) 15時開演(14時開場)
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
一般 3,000円/青少年(24歳以下) 1,000円

https://www.s-bunsan.jp/event/20002.html

0909ドラミング表

0909ドラミング裏


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2023.07.25 (Tue)

「駅名連歌 まいばらはつ」合同稽古を行いました!

「長栄座伝承会むすひ」開催まで残り約2週間

先日、「駅名連歌 まいばらはつ」に出演する
和楽器演奏チーム児童合唱チーム日本舞踊チーム
3者の合同稽古を行いました


「駅名連歌まいばらはつ」は、「長栄座伝承会むすひ」第2部の演目。

当館のある米原が様々な地域を結ぶ交通の要衝であることを表現する企画で、米原を起点に地域の名所などを織り交ぜながら駅名を読み込んだ「旅うた」です。
1年目は京都まで、2年目は名古屋まで、旅をしてきました。

2部:まいばらはつ地図

2部①
「駅名連歌 まいばらはつ」~東海道線各駅停車名古屋ゆき~(2年目)

最終年となる今年は、和楽器の演奏で、地元の子ども達の合唱と舞踊そして、各駅周辺の名勝、旧跡、話題のスポットの映像などとともに、米原から金沢までの旅へとご案内します


合同稽古では、長浜市少年少女合唱団「輝らりキッズ」の立ち位置や古典芸能キッズワークショップ日本舞踊修了生の踊り位置・流れを確認したあと、全曲を通して演奏、それぞれで反省点・修正点等確認し、最後にもう一度全曲を通して演奏しました。

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合同稽古の様子

長浜市少年少女合唱団「輝らりキッズ」古典芸能キッズワークショップ日本舞踊修了生は1年目(一昨年)にもご出演いただき、今回2回目となります

前回は和楽器演奏と一緒に歌ったり、生演奏に合わせて踊ったりすることの経験がほとんどない子たちがほとんどで戸惑いも多かったようですが、今回は2回目ということもあり様子が分かっている分、演奏や演技に集中して稽古に取り組むことができました


今年はどんな電車旅になるのか、乞うご期待






220509-2-長栄座パンフ

長栄座伝承会(ちょうえいざでんしょうえ) むすひ~東西を結び、(とき)を結び、乾坤(あめつち)を結ぶ~

2023年8月5日(土)、6日(日) 両日とも14時開演(13時30分開場)
会場:滋賀県立文化産業交流会館 イベントホール内特設舞台「長栄座」
料金:一般 3,500円/青少年(25歳未満) 2,000円
オンラインでチケット購入

第1部 <邦楽アラカルト>湖国神在祭(ここくのかみありさい) ~尺八による水鳥の二景~
①都山流尺八本曲「鶴の巣籠(すごもり)
尺八:野村峰山

②野村峰山作曲「(にお)の海に」
尺八:野村峰山
十七絃:野村祐子

幕間 野村峰山作曲「一つのまゆから」 
長浜市立伊香具小学校児童

第2部 駅名連歌 まいばらはつ~北陸本線金沢ゆき~
作詞:くろこと 作曲:野村祐子
〈箏・十七絃・三弦〉
野村祐子
滋賀県邦楽専門集団「しゅはり」
「邦楽専門実演家養成事業」修了生
〈尺八〉川崎貴久
〈合唱〉長浜市少年少女合唱団「輝らりキッズ」
〈舞踊〉古典芸能キッズワークショップ日本舞踊修了生

第3部 響鳴(きょうめい)~日本三大弁財天と宇賀神将(うがしんしょう)十五王子~近江竹生島大弁財天と五王子
作詞:千野喜資 作曲:萩岡松韻 杵屋佐吉 切り絵:早川鉄兵

【箏曲】
<唄>今藤政子
<本手>萩岡松韻 萩岡松柯 萩岡由子
<替手>佐々木千香能 山下紗綾
<十七絃>田中奈央一
<尺八>舛田路山
<胡弓>川瀬露秋

【長唄】
<三味線>杵屋佐吉 杵屋五助
<唄>杵屋佐喜 杵屋和五郎
<豪絃>木場大輔
<笛>福原寛瑞
<小鼓>福原百之
<大鼓>福原遊馬
<太鼓>福原鶴之助

【能】
<謡>渡邊 荀之助 渡邊茂人
<ダンス>中村香耶

0805長栄座伝承会むすひ_1

0805長栄座伝承会むすひ_2

0805長栄座伝承会むすひ_3

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2023.07.22 (Sat)

「書」を募集しました!(長栄座伝承会むすひ)

みなさん、「長栄座伝承会むすひ」のチラシはもうご覧いただきましたか

0805長栄座伝承会むすひ_1

チラシ表面の上部にある むすひ という緑色の文字。

実はこの字、一昨年度「長栄座伝承会むすひ」公演の演出に使用する文字を募集し、応募作品の中から選ばれた作品なんです

昨年のチラシにも使用していました
0730むすひ表

昨年、一昨年と「長栄座伝承会むすひ」公演に際し作品を募集、たくさんご応募いただいた中からより公演の演出意図に合う作品を選出し、舞台背景(映像)やパンフレットで使用したほか、公演当日は会場内で展示もしていました。

2022年度長栄座伝承会むすひの様子
2022年度「長栄座伝承会むすひ」より

今年度も公演のキーワードとなる文字の作品を募集し、審査会を行いました。

今回は、
小学生の方から「米原」「坂田」「田村」「長浜」「虎姫」「河毛」「高月」「木ノ本」「余呉」「近江塩津」「新疋田」「敦賀」「金沢」
高校生の方から「筆硯童子」「金財童子」「稲籾童子」「生命童子」「従者童子」
の全18種類を募集。

校了データ_ページ_1 校了データ_ページ_2


今回もたくさんの作品をご応募いただきました
作品それぞれ違った魅力があり、個性がたっぷりです

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どんな作品が選ばれたかは、当日のお楽しみ!!
みなさまのご来場をお待ちしております






220509-2-長栄座パンフ

長栄座伝承会(ちょうえいざでんしょうえ) むすひ~東西を結び、(とき)を結び、乾坤(あめつち)を結ぶ~

2023年8月5日(土)、6日(日) 両日とも14時開演(13時30分開場)
会場:滋賀県立文化産業交流会館 イベントホール内特設舞台「長栄座」
料金:一般 3,500円/青少年(25歳未満) 2,000円
オンラインでチケット購入

第1部 <邦楽アラカルト>湖国神在祭(ここくのかみありさい) ~尺八による水鳥の二景~
①都山流尺八本曲「鶴の巣籠(すごもり)
尺八:野村峰山

②野村峰山作曲「(にお)の海に」
尺八:野村峰山
十七絃:野村祐子

幕間 野村峰山作曲「一つのまゆから」 
長浜市立伊香具小学校児童

第2部 駅名連歌 まいばらはつ~北陸本線金沢ゆき~
作詞:くろこと 作曲:野村祐子
〈箏・十七絃・三弦〉
野村祐子
滋賀県邦楽専門集団「しゅはり」
「邦楽専門実演家養成事業」修了生
〈尺八〉川崎貴久
〈合唱〉長浜市少年少女合唱団「輝らりキッズ」
〈舞踊〉古典芸能キッズワークショップ日本舞踊修了生

第3部 響鳴(きょうめい)~日本三大弁財天と宇賀神将(うがしんしょう)十五王子~近江竹生島大弁財天と五王子
作詞:千野喜資 作曲:萩岡松韻 杵屋佐吉 切り絵:早川鉄兵

【箏曲】
<唄>今藤政子
<本手>萩岡松韻 萩岡松柯 萩岡由子
<替手>佐々木千香能 山下紗綾
<十七絃>田中奈央一
<尺八>舛田路山
<胡弓>川瀬露秋

【長唄】
<三味線>杵屋佐吉 杵屋五助
<唄>杵屋佐喜 杵屋和五郎
<豪絃>木場大輔
<笛>福原寛瑞
<小鼓>福原百之
<大鼓>福原遊馬
<太鼓>福原鶴之助

【能】
<謡>渡邊 荀之助 渡邊茂人
<ダンス>中村香耶

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2023.06.11 (Sun)

「駅名連歌 まいばらはつ」練習音源の収録を行いました!

みなさんこんにちは

先日文産会館では、
駅名連歌(えきめいれんが) まいばらはつ」~北陸本線金沢ゆき~
の歌練習用音源の収録を行いました!

「駅名連歌まいばらはつ」は、8月5日、6日に開催する「長栄座伝承会むすひ」の第2部で登場する演目。

文産会館の所在地 米原を起点に、地域の名所などを織り交ぜながら駅名を読み込んだ旅うたで、米原が様々な地域を結ぶ交通の要衝であることを表現する企画です。

2部:まいばらはつ

1年ごとに演目を積み重ね3年で完成する壮大な計画で、1年目は米原駅から京都駅までの琵琶湖線各駅停車の電車旅を和楽器と子どもたちの歌・舞踊、各地の風景映像で、2年目(昨年)は米原駅から名古屋駅までの東海線各駅停車の電車旅を和楽器と成世昌平さんの民謡、彦根児童合唱団の合唱、そして各地の風景映像でお贈りしました

まいばらはつ琵琶湖線各駅停車京都ゆき
「駅名連歌まいばらはつ」琵琶湖線各駅停車京都ゆき(1年目)の様子


3年目となる今年は、ついに最終年
米原駅から金沢駅までの北陸本線の電車旅を和楽器と子どもたちの合唱・舞踊、各地の風景映像、そして長浜市在住の画家による米原から敦賀までの鳥瞰図でお届けします

今回収録したのは、長浜市少年少女合唱団「輝らりキッズ」さん【合唱担当】や古典芸能キッズワークショップ日本舞踊修了生【舞踊】の練習用音源。
演出の中村 豊さんの立会いのもと行いました


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参考音源・練習用音源の収録の様子

作曲者の野村祐子さんと合唱担当者で作曲意図や曲の作りこみ方などの打ち合わせも行い、歌、日本舞踊ともにお稽古がいよいよ本格的にスタート


和楽器隊、児童合唱、日本舞踊の合同練習が7月にあり、それまでの期間はそれぞれでお稽古を重ねます。

今年は曲中に美味しいものがたくさん登場するとか
どんな電車旅になるのか、ますます楽しみです





220509-2-長栄座パンフ


長栄座伝承会(ちょうえいざでんしょうえ) むすひ~東西を結び、(とき)を結び、乾坤(あめつち)を結ぶ~

2023年8月5日(土)、6日(日) 両日とも14時開演(13時30分開場)
会場:滋賀県立文化産業交流会館 イベントホール内特設舞台「長栄座」
料金:一般 3,500円/青少年(24歳以下) 2,000円
オンラインでチケット購入

第1部 <邦楽アラカルト>湖国神在祭(ここくのかみありさい) ~尺八による水鳥の二景~

第2部 駅名連歌 まいばらはつ~北陸本線金沢ゆき~
作詞:くろこと 作曲:野村祐子
〈箏・十七絃・三弦〉
野村祐子
滋賀県邦楽専門集団「しゅはり」
〈尺八〉川崎貴久
〈合唱〉長浜市少年少女合唱団「輝らりキッズ」
〈舞踊〉古典芸能キッズワークショップ日本舞踊修了生

第3部 響鳴(きょうめい)~日本三大弁財天と宇賀神将(うがしんしょう)十五王子~近江竹生島大弁財天と五王子
作詞:千野喜資 作曲:萩岡松韻 杵屋佐吉 切り絵:早川鉄兵


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2023.06.01 (Thu)

「長栄座伝承会むすひ」制作発表を行いました!

文化産業交流会館では去る5月24日、「長栄座伝承会むすひ」の制作発表を行いました

当館館長のほか、構成・演出家を務める中村豊 氏、人間国宝・尺八演奏家で一部にご出演いただく野村峰山 氏、二部の児童合唱の指揮・指導をしていただく鳥塚貴絵 氏、三部のテーマとなっている竹生島の宝厳寺管主 峰覚雄 氏、にご出席いただき、「長栄座」公演の見どころや魅力を発表しました。


今回の制作発表で主な話題となったのは、このフェスティバルのメイン公演である「長栄座伝承会むすひ」について。


ここでは、コメントを一部抜粋してご紹介します!



竹村館長

文化産業交流会館は今年で35周年。
湖北地域は豊かな自然や歴史、文化のもと、伝統芸能や伝統産業が息づいており、
当館では地域の資源や施設の特性を生かして、2011年度から芝居小屋「長栄座」事業を実施している。
「長栄座」は明治時代長浜市に創建された芝居小屋で、湖北の文化芸術の創造発信拠点として地域の人に親しまれ、多くの方でにぎわった。当館では今日の劇場の原点ともいえる芝居小屋に着目し、イベントホール内に期間限定で再現している。
令和3年の「長栄座」10周年を機に、子どもたちも参加しやすいよう夏休み期間に1週間夏のフェスティバルとして開催。第一線でご活躍の奏者・演者の素晴らしい技芸とともに、次世代を担う子どもたちの歌声や日本舞踊、書なども登場する。
また、浴衣でご来場いただいた方には、切り絵作家 早川鉄兵氏の弁財天を絵はがきにしてプレゼントする。
「3年を超えるコロナ禍を経験し、文化芸術が心のよりどころとして大切なものであると実感した」という声を頂戴している。長栄座で和の心に浸っていただき、古典芸能の魅力を次の世代に、また地域の元気につなげたい。


中村 豊 氏(演出・構成)

チラシには早川鉄兵氏の切り絵による弁財天が描かれているが、今回は弁財天をテーマにした3年構成のいよいよフィナーレを迎える。1,2年前を観ていないと理解できないわけではなく、各年独立した公演で、今年は2日とも同内容。
今回は、一部には人間国宝・野村峰山氏と奥様の野村祐子氏が出演。夫婦水入らずのステージ。
一部と二部の幕間には、木之本・伊香具小学校の児童のために作曲された野村峰山氏作曲「一つのまゆから」を披露。
二部の「駅名連歌 まいばらはつ」は、和楽器の演奏とともに児童合唱や子どもたちの日本舞踊、書が登場。米原の東西を結ぶ地域性を考慮し、1年目は米原駅から京都駅へ、2年目は名古屋駅へと電車旅をし、今回3年目は北陸へ向かう。
三部は「響鳴」。三弁財天をテーマにした新曲で、1年目は江島、2年目は厳島、3年目はご当地の竹生島を題材にしている。現在、曲が出来上がり練習に取り組み始めた。山田流箏曲と長唄、能の謡の三方掛合いによる豪華なキャスティングでお贈りする。この三種の掛合いはなかなか見られないのでお楽しみに。

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関係者や出演者には演出の中村氏からのインタビュー形式でお話を伺いました


峰 覚雄 氏(竹生島・宝厳寺管主)

:三弁財天をテーマにし、最終年の今年は竹生島が登場する曲を作曲している。来年竹生島は創建1300年を迎えるということだが、大変歴史の深い中で様々な邦楽・音楽との関わりがあった。今回米原で弁財天をテーマにした新曲を3年シリーズで実施していることについてや、竹生島と邦楽・音楽との関わりについてお話を伺いたい。

:724年創建、来年1300年を迎える。こういった記念の年に、竹生島を取り上げてもらえるのは、弁天様や神様、仏様の不思議なご縁をいただいたと喜んでいる。
来年の企画は検討中であるが、この素晴らしい機会をいただいたことは、今後の竹生島に繋がっていくと感じている。
竹生島は様々な古典芸能に取り上げられている。元々はインドの福の神である弁財天に「幸せがおりてくるように」と願いを込めて、さまざまな古典芸能になったのではないかと思う。
長唄と能と箏が一緒に演奏することでどのような作品になるのか、私自身もとても楽しみにしている。竹生島の弁財天様の福がこの公演を通してみなさんに届くことを願っている。

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野村峰山 氏(人間国宝・尺八奏者[1部出演])

:水鳥に関する曲を古典と現代の2曲演奏してもらう。それぞれの聴きどころを教えてもらいたい。

:「鶴の巣籠」は中尾都山が最初に手掛けた作品。尺八には琴古流と都山流の大きな2つの流派がある。都山流は明治29年に初代中尾都山氏によって創建された。
この曲は元来胡弓の曲として作曲されたものを、中尾都山が尺八の曲として改変したもの。様々な手法が使われており、尺八の魅力を盛り込んだ曲になっている。途中の地(短な伴奏)を通常は尺八同士で旋律と交互に演奏しあったり三味線が演奏したりするが、今回はお箏で演奏する珍しい組み合わせ。
「鳰の海」は2000年に自身が作曲したもの。滋賀県の県鳥はカイツブリ(鳰)で、琵琶湖をかつては鳰の海と呼んでいたこともあった。びわ湖の大自然に感銘を受け、その情景を尺八と十七絃の二重奏で三つの章にまとめた。

一章 鳰の浦風(5月の湖面をさわやかな風が吹き抜ける)
二章 湖上の大鳥居(白髭神社、天女や龍神が舞い踊る雅やかな様子を楽の調べで)
三章 佇む浮御堂(浮御堂、『新古今和歌集』藤原家隆「鳰のうみや 月のひかりのうつろへば 浪の花にも秋は見えけり」)

琵琶湖の素晴らしさを表現できれば。

:伊香具小学校で歌い継がれる「一つのまゆから」について

:当時の校長先生が音楽や地元愛に熱心に取り組んでいた。故郷を愛する気持ちを大切にしてほしいとのことで、愛唱歌のようなものを作ってほしいと依頼を受けた。作詞作曲は初めての曲。四季折々の自然の恵み、地元の産業、風土記「羽衣伝説」、賤ケ岳をテーマにした歌詞で、木之本を離れた時も思い出してもらえれば地元の恵みを感じられるのではないかと思い作曲した。

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鳥塚貴絵 氏(長浜市少年少女合唱団「輝らりキッズ」指導[2部児童合唱指揮])

:邦楽と一緒に歌うことについて子どもたちはどんな様子か?

:和楽器に合わせて歌う経験はあまりなく、1年目イメージがわかず最も戸惑った分、本番は一層の達成感があった。今回は和楽器と演奏することの想像ができており、子どもたちは衣裳(浴衣)も含め大変楽しみにしている。

:歌詞を通して歴史やその土地の事について知ってもらいたいという思いで、少し難しい言葉も登場する歌詞になっている。練習を進める上で、子どもたちからどのような質問があるか?

:駅名は知っているが、歌詞の中の地名や歴史的なことはほとんど知らない。行ったことがあっても分からないことが多く、指導者も全然知らないということが分かった。前回は手引書のようなものを作り、一つ一つの駅について子どもたちと一緒に考えたので、今回も手引書を作りたいと考えている。
今回は長浜地域の駅を通るため、自分たちの町をよく知る良い機会になる。

:歌詞の中にはたくさんの名物(食べ物)が登場するが、気になったものは?

:子どもたちは食べ物が大好きなので喜んで話していたが、一番気になっていたのはやはり地元のサラダパン。自身が気になっているのは娘々饅頭。

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萩岡松韻 氏(箏・三弦演奏家、作曲家[3部作曲・出演])

:1年目は江ノ島の曲を、今回は竹生島の曲を作曲してもらっている。江ノ島は山田流との縁もあるが、今回竹生島や三大弁財天をテーマにするなどご苦労いただいた点を教えてほしい。

:江島は山田検校の最初の作品として有名だが、竹生島を題材にした作品もある。生田流には竹生島に渡るまでの道行の話、山田流には能と同じく老いた漁師(龍神)や海女(弁天)の船に乗せていただき島に渡る下りの話の曲がある。そのため古典に似ないようにすることが大切。また新作で重要なのは歌詞が明快に歌えるか。三方掛けは歌舞伎「紅葉狩り」に例があるが、三種類の邦楽器がうまくなじむか、うまくバトンが渡せるかが大切。今回は作曲を得意とするお家柄で幼馴染でもある杵屋佐吉先生と一緒に作曲をするためうまく話ができている。また、今回は弁財天のほか十五童子が登場するためくどくならないよう作詞の千野先生とも相談した。「勧進帳」に登場するのっと(祈りのメロディー)をアレンジし、童子を乗せて最後テンポよく作曲した点が面白いのではないか。

:弁財天を象徴する楽器が登場。1年目はシタール、2年目は琵琶、3年目は豪絃。大弁財天であるため大きな楽器を登場させたいと相談したところ、この楽器を紹介いただいた。聴きどころなどを教えてほしい。

:豪絃は4代目杵屋佐吉氏が作った大きな三味線でチェロのような楽器。古典をやっている専門家でも知らない人もいると思うので、是非聞いてほしい。
今回たくさんのパートが登場し、それぞれの音の混ざりも通常の古典とは違っている点で楽しく聞いてもらえるのでは。
弁財天の出現などに胡弓を使っている。高中音部の胡弓と低音部の豪絃、擦弦楽器同士のハーモニーも面白い。

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萩岡氏にはオンラインにてご出席いただきました。


また、人間国宝・尺八奏者の野村峰山氏には一部で演奏する2曲の聴きどころを抜粋してご演奏いただきました

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このことについて、現地でご取材いただいた滋賀報知新聞様やびわ湖放送様、朝日新聞様、中日新聞様、オンラインでご取材いただいた(公財)日本伝統文化振興財団様のブログでも取り上げていただきましたので、こちらもご紹介します

http://www.shigahochi.co.jp/info.php?type=article&id=A0038723
滋賀報知新聞
「伝承会 むすひ」完結 | 2023/5/30


https://nordot.app/1036591244598362706?c=547237567727846497
BBCびわ湖放送
今年も夏に開催 芝居小屋「長栄座」フェス | 2023/5/31

https://japojp.hateblo.jp/entry/2023/05/27/141813
公益財団法人日本伝統文化振興財団 ブログ
「古典芸能をめぐる小さなまちの大きな事業〜滋賀県米原市」

https://www.asahi.com/articles/ASR657F6XR5SPTJB007.html
朝日新聞(滋賀)
芝居小屋「長栄座」夏のフェス、8月開催 「伝承会むすひ」が完結 | 2023/6/6

https://www.chunichi.co.jp/article/704079?rct=shiga
中日新聞(滋賀)
竹生島など題材に3演目 米原で8月「長栄座」再現 | 2023/6/6


また、当館の総括プロデューサーからは、芝居小屋「長栄座」夏のフェスティバル2023の他公演についても説明。


最後に質疑応答と出席者の写真撮影を行い、制作発表会を閉会しました。

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「長栄座伝承会むすひ」(8/5、6開催)と「びわ湖ホール声楽アンサンブル 美しい日本の歌 米原公演vol.3」(8/12開催)のチケットは只今絶賛発売中、「片山九郎右衛門 親子で楽しむ日本の伝統芸能~能「大会」~」(8/11開催)は6/10(土)チケット発売(ワークショップ申込同日開始)となっています。

文化産業交流会館に期間限定で現れる情緒溢れる芝居小屋「長栄座」で、是非、夏を盛り上げる多彩なラインアップを気軽にお楽しみください

公演情報




長栄座伝承会むすひ 〜東西を結び、刻を結び、乾坤を結ぶ〜
8月5日(土)、6日(日)
両日とも14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/20369.html

【同日開催(12時30分〜17時)】
近江のあたらしい伝統産業展


片山九郎右衛門 親子で楽しむ日本の伝統芸能 ~能「大会」~
8月11日(金・祝)
ワークショップ 13時〜14時30分
公演 15時開演(14時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/20349.html

びわ湖ホール声楽アンサンブル 美しい日本の歌 米原公演vol.3
8月12日(土)14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/20293.html

【プレ企画】
長栄座をさらに楽しむプレ企画 地域の文化資源の劇場への活かし方~竹生島を題材に~
芸能における『竹生島』 ~『竹生島』を演じる~

7月2日(土)14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/19095.html




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