2022.06.08 (Wed)
芝居小屋「長栄座」夏のフェスティバルの制作発表
こんにちは!
先日、関東甲信では梅雨入りしたようですね
京都や神戸などでは平年より早く紫陽花が開花したとニュースで観ましたが、関西圏もいよいよ梅雨入りでしょうか?
さて、文化産業交流会館では、
去る5月25日に芝居小屋「長栄座」夏のフェスティバル2022の制作発表を行いました。
当館館長のほか、「長栄座」事業監修の久保田敏子さん(滋賀県立文化産業交流会館 舞台芸術アドバイザー、京都市立芸術大学名誉教授)や、「長栄座伝承会むすひ」(7/30、31開催)の構成・演出家を務める中村豊さん、同公演(7/30のみ) 1部にご出演の小野真龍さん(天王寺楽所雅亮会副理事長)、同公演(両日)の3部の演出に使用する切り絵を作成していただいた早川鉄兵さん(切り絵作家)にご出席いただき、「長栄座」公演の見どころや魅力を発表しました。
今回の制作発表で主な話題となったのは、このフェスティバルのメイン公演である「長栄座伝承会むすひ」について。
ここでは、各出席者のコメントを一部抜粋してご紹介します!







竹村館長


湖北地域は、豊かな自然や歴史、文化のもと、曳山子供歌舞伎などの祭礼や和楽器絃の製造など、伝統芸能や伝統産業が息づいている。
当会館ではその地域や会館施設の特色を活かし、2011年から伝統芸能を次世代につなぐ取り組みを自主事業の柱に据えて展開し、2021年にはその取り組みが評価され、総務大臣から「地域創造大賞」をいただいた。
取り組みのなかでも特に力を入れているのが自主制作公演「長栄座」。
長栄座はかつて長浜にあった芝居小屋を、イベントホール内にシアターインシアターとして再現し、古典芸能を行ってきたもので、昨年10周年を迎えたことを機に、小さなお子様からご年配の方まで世代を超えて楽しめる「夏のフェスティバル」として7月末から約1週間お贈りすることとした。古典芸能は難しい、敷居が高いと思われがちだが、このフェスティバルは、気楽にお楽しみいただける多彩なラインナップとなっている。
芝居小屋情緒あふれる「長栄座」で、和の心に浸っていただき、地域の魅力を再発見していただくとともに、日本文化の豊かさを次の世代に継承していきたいと思っている。


久保田敏子さん(監修)


伝統芸能というのはどうしても敷居が高いと思われがち。
東京や大阪、京都などとは違い、なかなか気軽にこういった公演を見る環境のない米原だが、新幹線の停まる駅であるなど地理的条件も活かして、本格的な内容のものを質は下げずに格式高く、それでありながら浴衣ででも気軽にご覧いただけるのを目指し開催している。



中村豊さん(構成・演出)


「長栄座伝承会むすひ」というタイトルで、去年・今年・来年の3年計画で公演を制作している。第2部と第3部は両日とも、同一内容、同一キャストで行い、第1部は2日間で内容が異なる。
今年の第1部の特徴として舞楽と長唄のレクチャーを行う。これは理解を深め、より公演を楽しんでいただきたいという思いからである。
30日は天王寺楽所さんの舞楽から始まる。雅楽における三管というのが、笙が天の音、篳篥が地の音、竜笛がその間の空間の音で、これはサブタイトルでもある乾坤(あめつち)を結ぶ、ということにも関わっている。
第1部の最後は、両日ともコラボレーションの演目となっている。30日はダンスと尺八のコラボで、ダンスはコンテンポラリーでもあり、ヒップホップのようなものでもある。そこに尺八が入り、「魂振」にふさわしい空間を創り上げてほしいと思っている。蘭陵王とは全く対照的な表現になるので、その対比もお楽しみいただきたい。
31日の公演は、平家琵琶の「竹生島詣」からの開幕となる。第3部の「響鳴」は三大弁財天をテーマとしており、3年目となる来年は竹生島弁財天を取り上げるため、その布石という形になっている。長唄のレクチャーは第3部への理解を深めていただくための導入として行う。
次の演目である31日、第1部最後の演目は、箏と十七絃とチェロ、そして打楽器での2曲の新曲。現在作曲中である1曲目は八千代獅子をモチーフにした楽曲、2曲目は日本三大弁財天のある県(神奈川、広島、滋賀)にゆかりのある、聞き馴染みのある音楽を盛り込んだものをお届けする。
第2部の「まいばらはつ」は、昨年は京都までの琵琶湖線を取り上げたが、今年は東海道線で名古屋の方まで各駅停車で16駅歌いこんでいく。映像を用いたり、滋賀県書道協会の協力で、各駅名を書の作品で表したりという取り組みをしている。演奏は民謡歌手の成世昌平さんと彦根少年少女合唱団の歌声で、楽しい歌になるのではないかと思っている。
第3部の「響鳴」は、去年の江ノ島に続き、今年は宮島の曲を、長唄を中心とした演奏でお届けする。
去年は能やコンテンポラリーダンスといった視覚的な要素も多かったが、今年は早川さんの切り絵を視覚的要素として取り組んでいく。
今回進行は講談師の玉田玉秀斎さん、7月2日にプレ企画として去年の「むすひ」公演を振り返る上映会を行うのですが、こちらのナビゲートも担当いただく。


小野真龍さん(7/30出演)


雅楽は、たいていの方が神社などで演奏されているものと思っておられる。
間違いではないが、元来の結びつきはお寺、仏教の法要である。
雅楽の歴史として、外来音楽が日本の古い音楽や舞とともに大仏に捧げられ、供養されたという記録がある。
こういうものが平安時代、日本的な一つの芸能に練成され、平安時代の半ばごろに現在の雅楽のスタイルが成立した。
雅楽は、貴族たちの美意識がふんだんに注ぎ込まれた高い芸術性を持っているが、伝統芸能の中でも特殊な立ち位置をもっている。
天王寺楽所と厳島神社は関係が深く、舞楽を奉納したり、雅楽と舞楽を指導したりと密接な関係を築いている。
今回「むすひ」第3部のテーマが厳島神社ということもあり、厳島神社で実際に舞われている天王寺舞楽を披露できることを心から楽しみにしている。

模擬演奏もしてくださいました!


早川鉄兵さん(切り絵)


私は、旧伊吹町で自然に囲まれながら普段は動物や植物をモチーフに作品づくりを行っている。“長唄といっしょに表現する”ということでお声掛けいただき、普段作っている世界観とは全く違ったものをつくらせていただいている。
厳島弁財天と五王子ということで、普段人がモチーフの作品は苦手だとお伝えしているが、ギリギリ人ではないのかな、というところでお受けし、今回本当に初めての試み。
皆様にお気軽に来ていただくという部分で、自分が貢献できるのではないかと思っている。普段の自分の作風とはまた違ったものにはなるが、これもひとつ楽しんでいただけたらと思う。
このことについて、新聞各社でも取り上げていただきましたので、こちらも一部ご紹介します📰
https://www.chunichi.co.jp/amp/article/477688
(中日新聞・5/27)
https://www.asahi.com/amp/articles/ASQ506VFLQ5XPTJB001.html
(朝日新聞・6/1)
また、当館の総括プロデューサーからは、芝居小屋「長栄座」夏のフェスティバル2022の他公演についても説明。

最後に出席者の写真撮影を行い、制作発表会を閉会しました。

「長栄座伝承会むすひ」(7/30、31開催)と「びわ湖ミュージックフォレスト2022 File3 津軽三味線 駒田早代 邦楽の世界」(8/5開催)のチケットは只今絶賛発売中、「びわ湖ホール声楽アンサンブル 美しい日本の歌 米原公演vol.2」(8/7開催)は6/18(土)チケット発売、「親子で楽しむ日本の伝統芸能」(8/3開催)は7/1(土)チケット発売(ワークショップ申込同日開始)となっています。
文化産業交流会館に期間限定で現れる情緒溢れる芝居小屋「長栄座」で、是非、夏を盛り上げる多彩なラインアップを気軽にお楽しみください♪








公演情報









長栄座伝承会むすひ 〜東西を結び、刻を結び、乾坤を結ぶ〜
7月30日(土)、31日(日)
両日とも14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/18052.html
【同日開催(12時30分〜17時)】
近江のあたらしい伝統産業展
https://www.s-bunsan.jp/event/18123.html
親子で楽しむ日本の伝統芸能
8月3日(水)
ワークショップ 10時〜11時30分
公演 14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/18105.html
びわ湖ミュージックフォレスト2022 File3 津軽三味線 駒田早代 邦楽の世界
8月5日(金)14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/18034.html
びわ湖ホール声楽アンサンブル 美しい日本の歌 米原公演vol.2
8月7日(日)14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/18087.html
【プレ企画】
「むすひ」関連プレ企画 特別上映会
7月2日(土)14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/18095.html

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先日、関東甲信では梅雨入りしたようですね

京都や神戸などでは平年より早く紫陽花が開花したとニュースで観ましたが、関西圏もいよいよ梅雨入りでしょうか?

さて、文化産業交流会館では、
去る5月25日に芝居小屋「長栄座」夏のフェスティバル2022の制作発表を行いました。
当館館長のほか、「長栄座」事業監修の久保田敏子さん(滋賀県立文化産業交流会館 舞台芸術アドバイザー、京都市立芸術大学名誉教授)や、「長栄座伝承会むすひ」(7/30、31開催)の構成・演出家を務める中村豊さん、同公演(7/30のみ) 1部にご出演の小野真龍さん(天王寺楽所雅亮会副理事長)、同公演(両日)の3部の演出に使用する切り絵を作成していただいた早川鉄兵さん(切り絵作家)にご出席いただき、「長栄座」公演の見どころや魅力を発表しました。
今回の制作発表で主な話題となったのは、このフェスティバルのメイン公演である「長栄座伝承会むすひ」について。
ここでは、各出席者のコメントを一部抜粋してご紹介します!











湖北地域は、豊かな自然や歴史、文化のもと、曳山子供歌舞伎などの祭礼や和楽器絃の製造など、伝統芸能や伝統産業が息づいている。
当会館ではその地域や会館施設の特色を活かし、2011年から伝統芸能を次世代につなぐ取り組みを自主事業の柱に据えて展開し、2021年にはその取り組みが評価され、総務大臣から「地域創造大賞」をいただいた。
取り組みのなかでも特に力を入れているのが自主制作公演「長栄座」。
長栄座はかつて長浜にあった芝居小屋を、イベントホール内にシアターインシアターとして再現し、古典芸能を行ってきたもので、昨年10周年を迎えたことを機に、小さなお子様からご年配の方まで世代を超えて楽しめる「夏のフェスティバル」として7月末から約1週間お贈りすることとした。古典芸能は難しい、敷居が高いと思われがちだが、このフェスティバルは、気楽にお楽しみいただける多彩なラインナップとなっている。
芝居小屋情緒あふれる「長栄座」で、和の心に浸っていただき、地域の魅力を再発見していただくとともに、日本文化の豊かさを次の世代に継承していきたいと思っている。






伝統芸能というのはどうしても敷居が高いと思われがち。
東京や大阪、京都などとは違い、なかなか気軽にこういった公演を見る環境のない米原だが、新幹線の停まる駅であるなど地理的条件も活かして、本格的な内容のものを質は下げずに格式高く、それでありながら浴衣ででも気軽にご覧いただけるのを目指し開催している。







「長栄座伝承会むすひ」というタイトルで、去年・今年・来年の3年計画で公演を制作している。第2部と第3部は両日とも、同一内容、同一キャストで行い、第1部は2日間で内容が異なる。
今年の第1部の特徴として舞楽と長唄のレクチャーを行う。これは理解を深め、より公演を楽しんでいただきたいという思いからである。
30日は天王寺楽所さんの舞楽から始まる。雅楽における三管というのが、笙が天の音、篳篥が地の音、竜笛がその間の空間の音で、これはサブタイトルでもある乾坤(あめつち)を結ぶ、ということにも関わっている。
第1部の最後は、両日ともコラボレーションの演目となっている。30日はダンスと尺八のコラボで、ダンスはコンテンポラリーでもあり、ヒップホップのようなものでもある。そこに尺八が入り、「魂振」にふさわしい空間を創り上げてほしいと思っている。蘭陵王とは全く対照的な表現になるので、その対比もお楽しみいただきたい。
31日の公演は、平家琵琶の「竹生島詣」からの開幕となる。第3部の「響鳴」は三大弁財天をテーマとしており、3年目となる来年は竹生島弁財天を取り上げるため、その布石という形になっている。長唄のレクチャーは第3部への理解を深めていただくための導入として行う。
次の演目である31日、第1部最後の演目は、箏と十七絃とチェロ、そして打楽器での2曲の新曲。現在作曲中である1曲目は八千代獅子をモチーフにした楽曲、2曲目は日本三大弁財天のある県(神奈川、広島、滋賀)にゆかりのある、聞き馴染みのある音楽を盛り込んだものをお届けする。
第2部の「まいばらはつ」は、昨年は京都までの琵琶湖線を取り上げたが、今年は東海道線で名古屋の方まで各駅停車で16駅歌いこんでいく。映像を用いたり、滋賀県書道協会の協力で、各駅名を書の作品で表したりという取り組みをしている。演奏は民謡歌手の成世昌平さんと彦根少年少女合唱団の歌声で、楽しい歌になるのではないかと思っている。
第3部の「響鳴」は、去年の江ノ島に続き、今年は宮島の曲を、長唄を中心とした演奏でお届けする。
去年は能やコンテンポラリーダンスといった視覚的な要素も多かったが、今年は早川さんの切り絵を視覚的要素として取り組んでいく。
今回進行は講談師の玉田玉秀斎さん、7月2日にプレ企画として去年の「むすひ」公演を振り返る上映会を行うのですが、こちらのナビゲートも担当いただく。






雅楽は、たいていの方が神社などで演奏されているものと思っておられる。
間違いではないが、元来の結びつきはお寺、仏教の法要である。
雅楽の歴史として、外来音楽が日本の古い音楽や舞とともに大仏に捧げられ、供養されたという記録がある。
こういうものが平安時代、日本的な一つの芸能に練成され、平安時代の半ばごろに現在の雅楽のスタイルが成立した。
雅楽は、貴族たちの美意識がふんだんに注ぎ込まれた高い芸術性を持っているが、伝統芸能の中でも特殊な立ち位置をもっている。
天王寺楽所と厳島神社は関係が深く、舞楽を奉納したり、雅楽と舞楽を指導したりと密接な関係を築いている。
今回「むすひ」第3部のテーマが厳島神社ということもあり、厳島神社で実際に舞われている天王寺舞楽を披露できることを心から楽しみにしている。

模擬演奏もしてくださいました!






私は、旧伊吹町で自然に囲まれながら普段は動物や植物をモチーフに作品づくりを行っている。“長唄といっしょに表現する”ということでお声掛けいただき、普段作っている世界観とは全く違ったものをつくらせていただいている。
厳島弁財天と五王子ということで、普段人がモチーフの作品は苦手だとお伝えしているが、ギリギリ人ではないのかな、というところでお受けし、今回本当に初めての試み。
皆様にお気軽に来ていただくという部分で、自分が貢献できるのではないかと思っている。普段の自分の作風とはまた違ったものにはなるが、これもひとつ楽しんでいただけたらと思う。
このことについて、新聞各社でも取り上げていただきましたので、こちらも一部ご紹介します📰
https://www.chunichi.co.jp/amp/article/477688
(中日新聞・5/27)
https://www.asahi.com/amp/articles/ASQ506VFLQ5XPTJB001.html
(朝日新聞・6/1)
また、当館の総括プロデューサーからは、芝居小屋「長栄座」夏のフェスティバル2022の他公演についても説明。

最後に出席者の写真撮影を行い、制作発表会を閉会しました。

「長栄座伝承会むすひ」(7/30、31開催)と「びわ湖ミュージックフォレスト2022 File3 津軽三味線 駒田早代 邦楽の世界」(8/5開催)のチケットは只今絶賛発売中、「びわ湖ホール声楽アンサンブル 美しい日本の歌 米原公演vol.2」(8/7開催)は6/18(土)チケット発売、「親子で楽しむ日本の伝統芸能」(8/3開催)は7/1(土)チケット発売(ワークショップ申込同日開始)となっています。
文化産業交流会館に期間限定で現れる情緒溢れる芝居小屋「長栄座」で、是非、夏を盛り上げる多彩なラインアップを気軽にお楽しみください♪




















7月30日(土)、31日(日)
両日とも14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/18052.html
【同日開催(12時30分〜17時)】

https://www.s-bunsan.jp/event/18123.html

8月3日(水)
ワークショップ 10時〜11時30分
公演 14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/18105.html

8月5日(金)14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/18034.html

8月7日(日)14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/18087.html
【プレ企画】

7月2日(土)14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/18095.html
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