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2022.07.26 (Tue)

「長栄座伝承会 むすひ」プログラム紹介♪vol.7

芸事や財運、水の神である 弁財天
神奈川県の江ノ島、広島県の厳島、そして滋賀県の竹生島の「弁財天」は日本三大弁財天として、古くから多くの人々の信仰を集めています。

今回ご紹介する「長栄座伝承会 むすひ」の第3部の「響鳴(きょうめい) ~日本三大弁財天と宇賀神将十五王子~」は、そんな日本三大弁財天をテーマにした演目。
※両日とも同出演者・内容

この記事は、ジャンルを超えた珠玉の芸たちが”むすひ”をテーマに、一年に一度、蜃気楼の如く現れては立ち消える芝居小屋「長栄座」に集結する芝居小屋「長栄座」夏のフェスティバル2022のメイン公演「長栄座伝承会 むすひ」の演目をご紹介するシリーズの第7弾です

ここで、ポイントとなる用語をチェック
弁財天(べんざいてん)
弁才天と表記することもある。
古代インドで信仰されたサラスバティー(インドのサラスバティー川の河神、女神)が仏教に取り込まれた。
今日では、芸能上達、音楽、弁舌、財富、水などの女神として信仰を集めている。
8本の腕を持ち(8())、武装をしている「八臂弁財天(はっぴべんざいてん)」や2臂で琵琶を持つ「妙音弁財天(みょうおんべんざいてん)」など様々な姿が伝えられる。
鎌倉時代後半には八臂弁財天の頭上に「宇賀神(うがしん)」(翁の顔、蛇の体をもつ神)が表されるようになった。

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弁才天坐像(宇賀弁才天) 滋賀県 竹生島・宝厳寺

十五王子(じゅうごおうじ)
十五皇子と表記することもある。
頭上に翁面蛇身の宇賀神を戴いた姿の弁財天に仕える十五柱の童子。
弁財天への取次、給仕などの補助役を務める。

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『弁才天十五童子像』(東京国立博物館所蔵)
「ColBase」収録(https://jpsearch.go.jp/item/cobas-38726)




弁財天については、芝居小屋「長栄座」特設ページのコラム「ペコ丸の古典芸能よもやま話」で詳しくご紹介しているので、こちらもぜひご覧ください
https://www.s-bunsan.jp/choeiza/column

この演目では、諸芸上達の神として多くの芸術家の信仰を集める「弁財天」とその眷属(けんぞく)であるを十五王子をテーマに、江ノ島、厳島、そして竹生島、3年かけて日本三大弁財天を巡ります。

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2年目の今年は、安芸宮島の厳島弁財天と五王子の物語を、杵屋佐吉師による新作の長唄で表現します。

長唄とは


時は戦国。
古稀(こき)を迎えた戦国武将 毛利元就(もうりもとなり)が戦乱に明け暮れた半生を振り返っていると、琵琶で有名な厳島弁財天が現れ・・・

歌詞は昨年に引き続き、千野喜資さんに作詞していただきました。
弁財天を象徴する楽器として今年は琵琶も登場

重要無形文化財「長唄」総合認定保持者の七代目 杵屋佐吉(きねやさきち)師が率いる長唄と琵琶の演奏に、滋賀県内の高校生たちが書いた五王子の名の書と早川鉄兵さんの切り絵が加わり、モノトーンを基調とした幻想的な世界へと誘います。

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第3部「響鳴」安芸宮島 厳島弁財天と五王子 に登場する早川鉄兵氏の切り絵

これまで全回でお送りしてきた「長栄座伝承会 むすひ」のプログラム紹介は今回が最終回

様々な縁が結ばれ織りなす世界を、ぜひ、芝居小屋「長栄座」の舞台でお楽しみください







長栄座夏のフェスティバルロゴ

長栄座伝承会(ちょうえいざでんしょうえ) むすひ~東西を結び、(とき)を結び、乾坤(あめつち)を結ぶ~

2022年7月30日(土)、31日(日) 両日とも14時開演(13時30分開場)
会場:滋賀県立文化産業交流会館 イベントホール内特設舞台「長栄座」
料金:一般 3,500円/青少年(25歳未満) 2,000円
オンラインでチケット購入

第1部 <邦楽アラカルト>湖国神在祭(ここくのかみありさい) ~むすひの芸能撰~
<7月30日(土)>
①舞楽への(いざな)
小野真龍(天王寺楽所雅亮会副理事長・関西大学客員教授)

②舞楽「蘭陵王」
天王寺楽所雅亮会
舞人:小野真龍
打物:寺西覚水 巖水法光 多治見眞篤
鳳笙:林絹代 塩田隆志
篳篥:前川隆哲 髙木了慧
龍笛:中原詳人 勘田紅美
装束方:吉光信昭

③和楽器コラボ 尺八×Dance 長管尺八による舞曲「魂振(たまふり)
尺八:川崎貴久 Dance:OBA

<7月31日(日)>
①平家琵琶「竹生島詣」
菊央雄司

②長唄への誘い
唄:杵屋利光 三味線:杵屋勝九郎

③和楽器コラボ 箏・十七絃×チェロ×打楽器 箏とチェロによる二題
萌永(もえ germinatio-八千代獅子賛歌」(中村典子作曲)
水滸唱歌(みずのほとりのうた)」(星谷丈生作曲)
箏:麻植美弥子 麻植理恵子
チェロ:ルドヴィート・カンタ
打楽器:山内利一

第2部 駅名連歌 まいばらはつ~東海道線各駅停車名古屋ゆき~
作詞:くろこと 作曲:野村祐子
〈箏・十七絃・三弦〉
野村祐子
滋賀県邦楽専門集団「しゅはり」
「邦楽専門実演家養成事業」修了生
〈尺八〉川崎貴久
〈民謡〉成世昌平
〈合唱〉彦根児童合唱団

第3部 響鳴(きょうめい)~日本三大弁財天と宇賀神将(うがしんしょう)十五王子~安芸宮島 厳島弁財天と五王子
作詞:千野喜資 作曲:杵屋佐吉 切り絵:早川鉄兵
<三味線>杵屋佐吉 杵屋浅吉 今藤龍十郎
<唄>杵屋佐喜 杵屋正則 杵屋勝英治
<琵琶>田中奈央一
<囃子>福原百之助 福原鶴之助 望月左太助 福原遊馬 福原寛瑞

※第2部、第3部は両日とも、同内容・同一キャストで上演します。

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0730むすひ裏

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