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2023.06.01 (Thu)

「長栄座伝承会むすひ」制作発表を行いました!

文化産業交流会館では去る5月24日、「長栄座伝承会むすひ」の制作発表を行いました

当館館長のほか、構成・演出家を務める中村豊 氏、人間国宝・尺八演奏家で一部にご出演いただく野村峰山 氏、二部の児童合唱の指揮・指導をしていただく鳥塚貴絵 氏、三部のテーマとなっている竹生島の宝厳寺管主 峰覚雄 氏、にご出席いただき、「長栄座」公演の見どころや魅力を発表しました。


今回の制作発表で主な話題となったのは、このフェスティバルのメイン公演である「長栄座伝承会むすひ」について。


ここでは、コメントを一部抜粋してご紹介します!



竹村館長

文化産業交流会館は今年で35周年。
湖北地域は豊かな自然や歴史、文化のもと、伝統芸能や伝統産業が息づいており、
当館では地域の資源や施設の特性を生かして、2011年度から芝居小屋「長栄座」事業を実施している。
「長栄座」は明治時代長浜市に創建された芝居小屋で、湖北の文化芸術の創造発信拠点として地域の人に親しまれ、多くの方でにぎわった。当館では今日の劇場の原点ともいえる芝居小屋に着目し、イベントホール内に期間限定で再現している。
令和3年の「長栄座」10周年を機に、子どもたちも参加しやすいよう夏休み期間に1週間夏のフェスティバルとして開催。第一線でご活躍の奏者・演者の素晴らしい技芸とともに、次世代を担う子どもたちの歌声や日本舞踊、書なども登場する。
また、浴衣でご来場いただいた方には、切り絵作家 早川鉄兵氏の弁財天を絵はがきにしてプレゼントする。
「3年を超えるコロナ禍を経験し、文化芸術が心のよりどころとして大切なものであると実感した」という声を頂戴している。長栄座で和の心に浸っていただき、古典芸能の魅力を次の世代に、また地域の元気につなげたい。


中村 豊 氏(演出・構成)

チラシには早川鉄兵氏の切り絵による弁財天が描かれているが、今回は弁財天をテーマにした3年構成のいよいよフィナーレを迎える。1,2年前を観ていないと理解できないわけではなく、各年独立した公演で、今年は2日とも同内容。
今回は、一部には人間国宝・野村峰山氏と奥様の野村祐子氏が出演。夫婦水入らずのステージ。
一部と二部の幕間には、木之本・伊香具小学校の児童のために作曲された野村峰山氏作曲「一つのまゆから」を披露。
二部の「駅名連歌 まいばらはつ」は、和楽器の演奏とともに児童合唱や子どもたちの日本舞踊、書が登場。米原の東西を結ぶ地域性を考慮し、1年目は米原駅から京都駅へ、2年目は名古屋駅へと電車旅をし、今回3年目は北陸へ向かう。
三部は「響鳴」。三弁財天をテーマにした新曲で、1年目は江島、2年目は厳島、3年目はご当地の竹生島を題材にしている。現在、曲が出来上がり練習に取り組み始めた。山田流箏曲と長唄、能の謡の三方掛合いによる豪華なキャスティングでお贈りする。この三種の掛合いはなかなか見られないのでお楽しみに。

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関係者や出演者には演出の中村氏からのインタビュー形式でお話を伺いました


峰 覚雄 氏(竹生島・宝厳寺管主)

:三弁財天をテーマにし、最終年の今年は竹生島が登場する曲を作曲している。来年竹生島は創建1300年を迎えるということだが、大変歴史の深い中で様々な邦楽・音楽との関わりがあった。今回米原で弁財天をテーマにした新曲を3年シリーズで実施していることについてや、竹生島と邦楽・音楽との関わりについてお話を伺いたい。

:724年創建、来年1300年を迎える。こういった記念の年に、竹生島を取り上げてもらえるのは、弁天様や神様、仏様の不思議なご縁をいただいたと喜んでいる。
来年の企画は検討中であるが、この素晴らしい機会をいただいたことは、今後の竹生島に繋がっていくと感じている。
竹生島は様々な古典芸能に取り上げられている。元々はインドの福の神である弁財天に「幸せがおりてくるように」と願いを込めて、さまざまな古典芸能になったのではないかと思う。
長唄と能と箏が一緒に演奏することでどのような作品になるのか、私自身もとても楽しみにしている。竹生島の弁財天様の福がこの公演を通してみなさんに届くことを願っている。

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野村峰山 氏(人間国宝・尺八奏者[1部出演])

:水鳥に関する曲を古典と現代の2曲演奏してもらう。それぞれの聴きどころを教えてもらいたい。

:「鶴の巣籠」は中尾都山が最初に手掛けた作品。尺八には琴古流と都山流の大きな2つの流派がある。都山流は明治29年に初代中尾都山氏によって創建された。
この曲は元来胡弓の曲として作曲されたものを、中尾都山が尺八の曲として改変したもの。様々な手法が使われており、尺八の魅力を盛り込んだ曲になっている。途中の地(短な伴奏)を通常は尺八同士で旋律と交互に演奏しあったり三味線が演奏したりするが、今回はお箏で演奏する珍しい組み合わせ。
「鳰の海」は2000年に自身が作曲したもの。滋賀県の県鳥はカイツブリ(鳰)で、琵琶湖をかつては鳰の海と呼んでいたこともあった。びわ湖の大自然に感銘を受け、その情景を尺八と十七絃の二重奏で三つの章にまとめた。

一章 鳰の浦風(5月の湖面をさわやかな風が吹き抜ける)
二章 湖上の大鳥居(白髭神社、天女や龍神が舞い踊る雅やかな様子を楽の調べで)
三章 佇む浮御堂(浮御堂、『新古今和歌集』藤原家隆「鳰のうみや 月のひかりのうつろへば 浪の花にも秋は見えけり」)

琵琶湖の素晴らしさを表現できれば。

:伊香具小学校で歌い継がれる「一つのまゆから」について

:当時の校長先生が音楽や地元愛に熱心に取り組んでいた。故郷を愛する気持ちを大切にしてほしいとのことで、愛唱歌のようなものを作ってほしいと依頼を受けた。作詞作曲は初めての曲。四季折々の自然の恵み、地元の産業、風土記「羽衣伝説」、賤ケ岳をテーマにした歌詞で、木之本を離れた時も思い出してもらえれば地元の恵みを感じられるのではないかと思い作曲した。

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鳥塚貴絵 氏(長浜市少年少女合唱団「輝らりキッズ」指導[2部児童合唱指揮])

:邦楽と一緒に歌うことについて子どもたちはどんな様子か?

:和楽器に合わせて歌う経験はあまりなく、1年目イメージがわかず最も戸惑った分、本番は一層の達成感があった。今回は和楽器と演奏することの想像ができており、子どもたちは衣裳(浴衣)も含め大変楽しみにしている。

:歌詞を通して歴史やその土地の事について知ってもらいたいという思いで、少し難しい言葉も登場する歌詞になっている。練習を進める上で、子どもたちからどのような質問があるか?

:駅名は知っているが、歌詞の中の地名や歴史的なことはほとんど知らない。行ったことがあっても分からないことが多く、指導者も全然知らないということが分かった。前回は手引書のようなものを作り、一つ一つの駅について子どもたちと一緒に考えたので、今回も手引書を作りたいと考えている。
今回は長浜地域の駅を通るため、自分たちの町をよく知る良い機会になる。

:歌詞の中にはたくさんの名物(食べ物)が登場するが、気になったものは?

:子どもたちは食べ物が大好きなので喜んで話していたが、一番気になっていたのはやはり地元のサラダパン。自身が気になっているのは娘々饅頭。

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萩岡松韻 氏(箏・三弦演奏家、作曲家[3部作曲・出演])

:1年目は江ノ島の曲を、今回は竹生島の曲を作曲してもらっている。江ノ島は山田流との縁もあるが、今回竹生島や三大弁財天をテーマにするなどご苦労いただいた点を教えてほしい。

:江島は山田検校の最初の作品として有名だが、竹生島を題材にした作品もある。生田流には竹生島に渡るまでの道行の話、山田流には能と同じく老いた漁師(龍神)や海女(弁天)の船に乗せていただき島に渡る下りの話の曲がある。そのため古典に似ないようにすることが大切。また新作で重要なのは歌詞が明快に歌えるか。三方掛けは歌舞伎「紅葉狩り」に例があるが、三種類の邦楽器がうまくなじむか、うまくバトンが渡せるかが大切。今回は作曲を得意とするお家柄で幼馴染でもある杵屋佐吉先生と一緒に作曲をするためうまく話ができている。また、今回は弁財天のほか十五童子が登場するためくどくならないよう作詞の千野先生とも相談した。「勧進帳」に登場するのっと(祈りのメロディー)をアレンジし、童子を乗せて最後テンポよく作曲した点が面白いのではないか。

:弁財天を象徴する楽器が登場。1年目はシタール、2年目は琵琶、3年目は豪絃。大弁財天であるため大きな楽器を登場させたいと相談したところ、この楽器を紹介いただいた。聴きどころなどを教えてほしい。

:豪絃は4代目杵屋佐吉氏が作った大きな三味線でチェロのような楽器。古典をやっている専門家でも知らない人もいると思うので、是非聞いてほしい。
今回たくさんのパートが登場し、それぞれの音の混ざりも通常の古典とは違っている点で楽しく聞いてもらえるのでは。
弁財天の出現などに胡弓を使っている。高中音部の胡弓と低音部の豪絃、擦弦楽器同士のハーモニーも面白い。

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萩岡氏にはオンラインにてご出席いただきました。


また、人間国宝・尺八奏者の野村峰山氏には一部で演奏する2曲の聴きどころを抜粋してご演奏いただきました

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このことについて、現地でご取材いただいた滋賀報知新聞様やびわ湖放送様、朝日新聞様、中日新聞様、オンラインでご取材いただいた(公財)日本伝統文化振興財団様のブログでも取り上げていただきましたので、こちらもご紹介します

http://www.shigahochi.co.jp/info.php?type=article&id=A0038723
滋賀報知新聞
「伝承会 むすひ」完結 | 2023/5/30


https://nordot.app/1036591244598362706?c=547237567727846497
BBCびわ湖放送
今年も夏に開催 芝居小屋「長栄座」フェス | 2023/5/31

https://japojp.hateblo.jp/entry/2023/05/27/141813
公益財団法人日本伝統文化振興財団 ブログ
「古典芸能をめぐる小さなまちの大きな事業〜滋賀県米原市」

https://www.asahi.com/articles/ASR657F6XR5SPTJB007.html
朝日新聞(滋賀)
芝居小屋「長栄座」夏のフェス、8月開催 「伝承会むすひ」が完結 | 2023/6/6

https://www.chunichi.co.jp/article/704079?rct=shiga
中日新聞(滋賀)
竹生島など題材に3演目 米原で8月「長栄座」再現 | 2023/6/6


また、当館の総括プロデューサーからは、芝居小屋「長栄座」夏のフェスティバル2023の他公演についても説明。


最後に質疑応答と出席者の写真撮影を行い、制作発表会を閉会しました。

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「長栄座伝承会むすひ」(8/5、6開催)と「びわ湖ホール声楽アンサンブル 美しい日本の歌 米原公演vol.3」(8/12開催)のチケットは只今絶賛発売中、「片山九郎右衛門 親子で楽しむ日本の伝統芸能~能「大会」~」(8/11開催)は6/10(土)チケット発売(ワークショップ申込同日開始)となっています。

文化産業交流会館に期間限定で現れる情緒溢れる芝居小屋「長栄座」で、是非、夏を盛り上げる多彩なラインアップを気軽にお楽しみください

公演情報




長栄座伝承会むすひ 〜東西を結び、刻を結び、乾坤を結ぶ〜
8月5日(土)、6日(日)
両日とも14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/20369.html

【同日開催(12時30分〜17時)】
近江のあたらしい伝統産業展


片山九郎右衛門 親子で楽しむ日本の伝統芸能 ~能「大会」~
8月11日(金・祝)
ワークショップ 13時〜14時30分
公演 15時開演(14時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/20349.html

びわ湖ホール声楽アンサンブル 美しい日本の歌 米原公演vol.3
8月12日(土)14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/20293.html

【プレ企画】
長栄座をさらに楽しむプレ企画 地域の文化資源の劇場への活かし方~竹生島を題材に~
芸能における『竹生島』 ~『竹生島』を演じる~

7月2日(土)14時開演(13時30分開場)
https://www.s-bunsan.jp/event/19095.html


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